子供を「モノとして持つ」気付いていない親がいっぱい【精神障害から考える子供の教育】
先日、娘のお稽古場の先生の舞台を観に言ったときの話。
小学3年生の女の子と年長の男の子のいる母親も来ていたので、
一緒に舞台を観にみることにした。
席は自由席だったのだが、
3年生の女の子が、私達親から離れたところで観ようとする。
うちの小学1年娘と、その娘の弟もその娘についていく。
私は子供が好きなところで観れば良いと思うし、周りに迷惑かけるわけでもなかったので、何も思わなかったが、
それに、何故か怒るその娘の母親。
その娘の母親「こっちの方が観やすいやん!なんでそっち行くの!こっちこっち」
その娘「こっちで観る」
その娘の母親「そこは観にくいやん。こっちきーや!」
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母親は単純に、観やすいところがココだから!というように思っていたんだと思う。
が、同時に自分の娘の意見を完全無視していることに全く気がついていない・・・・
あまりにこのやり取りが嫌だったというか、
私「そっちがいいって言ってるんだからいいじゃない。」
その娘母親「あ、そっか」
でも、このやり取りはその後も続いた。
その後何回かホール外で休憩して、
再度、席に着こうとするとこのやり取りが始まる。。。。
すると、だんだんその娘の母親が怒り出した。
その娘の母親「もう!なんでそっちに行くのよ!怒」
その娘「なんでお母さんそんなに怒るのよ!(無視)」
大体これで、読めた気がした。
その娘は自立しようとしているんだろう。
母親からわざと距離を置こうとしているのだ。
すると、母親はそれが気に入らないらしい。
その娘の母親は私に言った。「3年生になったら、大変やで。1年生のときは何でも言うこと聞いてくれたけど、全然あかん。」
・・・私の内心、「え?!言うこと聞かせるようにしてたんだ・・・」
子供は自由にして育てるべきである。
それは、「親は子供考えをすべて受け入れる」「子供を甘えさせる」「子供の言ったことが全て正しい」「子供は万能な生き物」くらいでちょうど良いと思う。
私の経験からだが、
年長のとき娘がこう言ったことがある
私の娘「地球の外側ではキラリちゃんが星を作っているんでしょ」
私「そうだね、作ってるかもしれないねー。キラリちゃんを探してみたら」
娘はアンパンマンに出てくるシーンからそう考えていたのだろう。
でも、ここで「違うよ、星っていうのは・・・」なんて言えば
せっかくの子供の純粋な想像力まで伸びなくなってしまう。
それくらい、子供の言うことすべてを肯定することが大切である。
なぜなら、大人になったときにすべて自己肯定できる人間になれるからだ。
これは、人生をうまくやっていくと感じるには必要要素である。
大抵の場合、ここで母親たちにに生まれてくるのが不安だ。
ワガママにならないか・・・、そのまま何も知らないで育たないだろうか・・・
ここで親の立ち位置が重要になってくる。
親はワガママにならないようにするために
「人を利用ようとする、騙そうとする、馬鹿にする、人のせいにする」ことへは叱らなくてはならない。
あと、「生死を左右する、怪我をする」ことへも否定しても良いと思う。
上記以外は0歳から全部子供の言うことをすべて肯定するべきだ。
あとは、マナーである。これはある程度の年齢にならないと子供には解らないのと、社会生活の経験を持たないと子供には理解出来ない。
そして子供が自らマナーを考えていかないと、大人が言って聞かせるだけでは無駄である。
何も知らないで育たないであろうかという疑問にも、大人が出来ることがある。
子供が楽しく勉強できる環境を整えるのは親の責任だ。
キラリちゃんが星を作っているかもしれないと思っていて何で行けないのか。
死ぬわけでもなし。迷惑かけるわけでもなし。
こういうときは親が子供に早く理解らせたいと思っていることが大抵だ。(自分もかつてそんなことがあったな・・・)
でも実はこれが真逆で、キラリちゃんが作っていると思っていたのに違った!の方が子供は学習するのである。
重要なのは星のことが理解るプレネタリウムや本、科学館へ行くことで楽しく学べることだ。
そういえば、子供同士が喧嘩したときにどうするかというと、
ほとんどの親は我が子に「なんでそんなことしたんだ、相手に謝れ」と言っている。
これも、子供を否定していて、実はそれに至るまでの我が子の思いに気づいていない。
精神障害でもそうだが、そうなるに至った経緯を聞くと必ず本人には「思い」があるのだ。
先に「どうしてそんなことをしたのか」気持ちを聞くのが先である。
まず自分が大切にされないと、謝る気になれないのは大人も子供も一緒だ。
親はいつでも子供の安全基地であることが、子供にとって自己肯定できる最大の環境である。
そして、最後に、子供は失敗して学んでいくものである。
大人は子供より経験が多いので、つい先回りして教えてしまう。
ホールでその娘のお母さんが「ここが一番観やすいから」と言っていたのも、
先回りだ。
子供が失敗するのは理解っていても、
その子にとって少しだけ難しいレベルのことを頑張らせて、
黙って見守ることが出来れば、
子供は勝手に伸びていくものであり、自立して行けるはずだ。
ここで最初に話を戻すが、
その娘の母親は、「子供を持つ」感覚である。
その娘の母親の考えが中心でその子供はモノである。
子供を自分の思い通りに動かしたいのであろう。
だから言うことを聞いてくれない子供に腹を立てる。
更に言うと、大抵の場合は親から自分受けた幼少期の教育が関係している。
親自身が子供のときにも思い通りにさせてもらえなかったんだろう。
その娘に関してだが、
8歳すぎた頃から子供は自分を客観的に観れるようになるらしい。
(いわゆる8〜10歳の壁と言われる、まだ私の娘は7歳なので知らないが)
「お母さんなんで怒っているの」
の意味は、自分の置かれている状況が理不尽であると理解っているんだろう。
なんて、賢い娘だ。「なんで?」と、お母さんにはちゃんと質問している。
本当は、「娘はちゃんと成長してるんだ!」と母親が思えたらなんて楽なんだろう。
この時、私はうまく説明出来る状況ではなかったのと、その娘の母親自体も相当ストレスが溜っているようで、「自我が芽生えてるんだね!」としか言えなかった。
そのことについて考えてくれればいいが・・・・
こういう状況はかなりの頻度で見かける。
親への教育の機会がなさすぎるのが原因かもしれない。
子供の発達への知識があれば、親は楽になれる。
それから世の中のお母さん達も余裕がないのだろう。
子供の考えを全て受け入れる、話を聞くのはかなりの体力を消耗する。
私も疲れているときは、なかなか出来ない。
そういうときは7歳の娘にこう言っとく。
「悪いけど、お母さん今日は疲れてるからゆっくりさせて・・・」
7歳の娘はしっかり聞いてくれる。
ただ、3歳の息子には通用しないが・・・笑
「子供の権利」というのを新聞で見たが、これはもっと社会に浸透するべきである。